(写真の出典:CANDELA、https://www.candelakk.jp/products/picoway/)
ダウンタイムが少ないピコレーザーという新しいレーザーを自分の治療のためにも真剣にまとめました!今回は安全性を第一として、厚生労働省またはアメリカのFDA(日本の厚労省にあたりますが、世界で一番注目されている国の機関です)の認可が下りている機種のみピックアップしました。
ピコレーザー全般のシミに対する効果・特長は?
ピコレーザーとは非常に短いピコ秒(1兆分の1秒)単位で照射が可能なレーザーです。
従来型のレーザーの速さはそれより遅いナノ秒でした(10億分の1秒)。
照射時間が従来のナノ秒よりさらに短くなった(ピコ秒)ため、熱作用でシミを粉砕せず、衝撃波で色素を細かく粉砕することができます。
これによって次のようなメリットがありますよ。
ピコレーザーのメリット
①シミ周辺の組織へのダメージが少ない
②炎症後色素沈着も起こりにくい
③YAGレーザーやQスイッチレーザーより痛みがすくない。(輪ゴムではじかれる程度)
④ダウンタイムが少ない(ダウンタイムとは、レーザー治療後の生じる痛みや腫れなど不快な症状が回復するまでの時間)
⑤弱い出力でも皮膚の奥深くまでしっかりレーザーを届ける効果
⑥いろいろなシミのタイプに対応できる
数種類のシミが混在していることが多いため、従来はそのシミの性質に合わせたレーザー選択が必要でしたが、ピコレーザーなら、薄いシミ、そばかす、後天性真皮メラノサイトーシスなど、顔や体の気になるシミをピンポイントで除去することができます。
従来のシミ取りレーザーには、ルビーレーザー(波長694nm)、アレキサンドライトレーザー(波長755nm)、Nd:Yagレーザー(波長1064nm)などがありますが、ピコレーザーの中には、この範囲の波長を全部網羅しているものもあります(例:ディスカバリーピコ)。多くの波長がだせるということは、いろいろな深さにあるシミに対応できるということです。一つの機械で色々な波長がだせるのはすごいですね!
ピコレーザーの照射モードは主に3つ。
照射モード
①シミをターゲットにしたピコスポット、
②肝斑やくすみをターゲットにしたピコトーニング
③毛穴をターゲットにしたピコフラクショナル
この3つの照射モードを組み合わせて使うと治療回数が少なくなります。また、組み合わせることによってシミだけでなく、毛穴ケア、肌のハリも改善できます。ピコトーニングだけを受ける場合は効果がでるまで5回以上かかると思っていた方がよいです。下の表は施術回数の目安です。
ピコレーザー | 施術回数の目安 |
---|---|
ピコトーニング | 5〜10回 |
ピコフラクショナル | 3〜5回 |
ピコスポット | 1〜3回 |
その他、タトゥー消しにも使用されます。
ピコレーザーはこんな人におすすめ
- 目立つシミがある。
- 一度の治療でなるべく早く治したい。
- 過去の治療でも消えなかったシミがある。
- カサブタになりにくい治療をしたい。
- 炎症後の色素沈着を避けたい
- 痛みが不安
ピコレーザーの種類(承認済みのもの)と取り扱いクリニック(東京&全国)
取扱いクリニックは比較的大きなクリニックをピックアップしました。基本的な機能はあまり変わりませんが、使用している波長の種類に違いがあります。小さな値の波長は表皮近くのシミを消去、大きな値の波長はより皮膚のより深いところにあるメラニンを消去できます。波長の幅が広ければ、いろいろな深さのシミに対応できます。
マシン名 | 承認情報 | 波長(単位:nm) | 特徴 | 取扱いクリニック |
PicoWay(ピコウェイ) | FDA 厚労省 |
3種類 532 730 1064 |
・今までとれなかった薄いシミにも対応 ・熱ダメージが少ない ・そばかす、ほくろも改善 ・肝斑にも対応 ・波長の幅が広いので、狙ったターゲットに合わせて適切な波長を選択することができる |
・エトワールレジーナクリニック(東京) |
Enlight(エンライトン) 機種が色々ある |
厚労省 | エンライトンSR 532nm 1064nm エンライトンⅢ 532nm 670nm 1064nm |
・「シミ」「シワ」「ニキビ跡」「入れ墨(タトゥー)の全方向に対応できる。 ・DM(後天性真皮メラノサイトーシス)にも適応可能 |
・湘南美容クリニック(全国) |
Picosure(ピコシュア) | FDA 厚労省 |
755nm | ・755nmの波長がシミ(メラニン色素)のみを集中的に粉砕 ・色素性病変(シミ等)」「しわ」「ニキビ跡」と幅広い分野で認可を受けている |
・品川スキンクリニック(全国) |
ディスカバリーピコ | FDA | 3種類 532nm 694nm 1064nm |
・波長の幅が広いので、表皮、真皮、皮下組織など狙ったターゲットに合わせて適切な波長を選択することができる | ・聖心美容クリニック(全国) |
PICOCARE(ピコケア) | 厚労省 FDA |
4種類 532nm 595nm 660nm 1064nm |
・4種類の波長で幅広い治療が可能 | ・TCB(東京中央美容外科)(全国) |
ちなみに、美容医療で使用されるレーザーの波長は主に可視光線(約400~700 nm)と赤外線(約700 nm~1,000 ㎛)。お肌の的の紫外線は10~400 nmです。
PicoWay(厚生労働省認可済み機種)
アメリカのシネロン・キャンデラ社が開発して、アメリカのFDA(政府機関)と厚労省の認可を受けています。
メリット
・532nm・785nm・1064nmの3種類の波長で、皮膚のいろいろな深さにあるシミに対応できる。
・ダウンタイムが少ない(1週間ほどで撮れるかさぶたが生じる。コンシーラーやテープで隠せる)
・痛みが少ない(痛みはゴムでパチンとはじかれる程度)
・光治療ではとれなかった薄いシミも取れる。
・パルス幅(照射時間)が他機種より短いので肌へのダメージが抑えられる
・数の多いシミやそばかす、大きめで複雑な形状のシミに対応できる
・翌日からメイクを行うことができる
照射モード
シミの種類によって①と②の照射モードを使います。
照射モード | 特徴 | こんな症状に効く |
①ピコショット | 高出力のスポット照射で気になる部位の症状を改善。施術の痛みが少ない。ダウンタイムも短く、薄いかさぶたができる程度。 | シミ・そばかす・ほくろ |
②ピコトーニング | 全顔に使用。低出力の照射で顔全体のくすみや色素沈着の改善、トーンアップができる | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
③ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進。従来の炭酸ガスを用いたフラクショナルレーザーよりダウンタイムが短い。 | ニキビ跡・毛穴開き・小じわの改善 |
Enlighten SR/III(エンライトンSR/III)
「エンライトン」は、アメリカのキュテラ社が開発したピコレーザーです。エンライトンIIIは、厚生労働省に認可されています。アメリカFDAには「シミ・シワ・ニキビ跡・タトゥー」という4部門で承認されている安全性が高いマシン。
特徴
・エンライトンSRの波長は532nm・1064nmの2種類、エンライトンⅢの波長は532nm・670nm・1064nmの3種類。
・532nmは炎症後色素沈着に有効、670nmは真皮奥のメラニン色素や青色と緑色のタトゥー色素に反応しやすい、1064nmはADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、太田母斑、タトゥーの除去に有効
・ピコ秒だけでなく従来のナノ秒でレーザーを照射可能。
・スポットサイズを小~大の幅広い範囲で設定でき、効率的にレーザーを照射できる。
・他の治療では治療が難しかったシミや薄い色むらなどへの効果が期待できる。
・照射時間が非常に短いため、痛みも少なく治療することができる。
照射モード | 特徴 | こんな症状に効く |
ピコスポット | スポット照射で気になる部位の症状を改善 | シミ・そばかす・ほくろ、タトゥー |
ピコトーニング | 全顔に使用。低出力の照射で顔全体のくすみや色素沈着の改善、トーンアップができる | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進。コラーゲンも同時に生成。 | 小じわ、ニキビ跡・毛穴開き |
Picosure(ピコシュア)
アメリカFDAの認可を受けたサイノシュア社のピコレーザー。「色素性病変(シミ等)」「しわ」「ニキビ跡」と幅広い分野で認可を受けている。
メリット
・755nmの波長を使用するため、他の1064nmのピコレーザーに比べ、メラニン色素に対する吸光度が2倍以上高いため、低エネルギーでも効率よくメラニン色素のみに反応する。
・翌日から化粧可能
・従来のレーザー治療・光治療では得られなかった結果が得られる。
・痛みが少ない
照射モード | 特徴 | こんな症状に効く |
ピコスポット | スポット照射で気になる部位の症状を改善 | シミ・そばかす・ほくろ、タトゥー |
ピコトーニング | 全顔に使用。低出力の照射で顔全体のくすみや色素沈着の改善、トーンアップができる | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進。コラーゲンやエラスチンも同時に生成。 | 小じわ、ニキビ跡・毛穴開き |
ディスカバリーピコ
ディスカバリーピコはイタリアQUANTA社製のピコレーザーです。
・532nmと1064nmのピコ秒レーザーと694nmのルビーレーザーを搭載しているので、狙ったターゲットに合わせて最適な波長を選択でき、幅広い治療が可能。
照射モード | 特徴 | こんな症状に効く |
ピコスポット | スポット照射で気になる部位の症状を改善 | シミ・そばかす・ほくろ、タトゥー |
ピコトーニング | 全顔に使用。低出力の照射で顔全体のくすみや色素沈着の改善、トーンアップができる | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進。コラーゲンやエラスチンも同時に生成。 | 小じわ、ニキビ跡・毛穴開き |
PICOCARE(ピコケア)
ピコケアは、韓国のWONTECH(ウォンテック)社が製造しているピコレーザー。アメリカのFDAと日本の厚生労働省の認可を受けています。
・532nm、595nm、660nm、1064nm の4種類の波長で幅広い治療ができる。
照射モード | 特徴 | こんな症状に効く |
ピコスポット | スポット照射で気になる部位の症状を改善 | シミ・そばかす・ほくろ、タトゥー |
ピコトーニング | 全顔に使用。低出力の照射で顔全体のくすみや色素沈着の改善、トーンアップができる | 肝斑・くすみ・色素沈着 |
ピコフラクショナル | 照射を点状に集中させて皮膚の再生を促進。コラーゲンやエラスチンも同時に生成。 | 小じわ、ニキビ跡・毛穴開き |
ピコレーザーの副作用
ピコレーザーは従来レーザーより痛みやダウンタイムが少ないですが、副作用が起こることもあります。
・稀ですが、赤みや水疱などが出ることもあり、その場合はすぐにクリニックへ連絡してください。
・痛みを感じる人もいるのでそのときは麻酔クリームを併用がおすすめ。
・照射部位が乾燥することで肌荒れを感じたり、肌質によってはニキビになる場合があります。肌質によっては抗生剤を処方されることもあります。